昭和20年8月2日、富山の街は空襲のため焦土と化しました。まもなく終戦をむかえると、全国に先駆けて戦災復興計画が策定されます。その後、計画に基づき市街地の復興が進められていくこととなったのです。
昭和26年になると博覧会開催の機運が高まり、その結果、都市計画事業の完了が予定されていた同29年に開催されることが決定しました。会場は、市役所敷地を含む城址公園一帯です。博覧会の開催は都市計画事業の進展を促し、また富山市役所、富山市公会堂、そして富山城天守閣(現郷土博物館)が新たに建設されたのです。富山産業大博覧会は、復興した富山の姿を全国に示すとともに、その名の通り、電気を中心とする産業をアピールする場となりました。この博覧会は、富山市が復興にピリオドを打ち、さらなる発展へと進む転換点となったのです。
本展では、開催からちょうど70年を迎える節目に合わせて、本博覧会について紹介します。