南アルプス市立美術館では、南アルプスユネスコエコパーク登録10周年を記念して、日本を代表する世界的な山岳写真家であり、南アルプスとも大変ゆかりの深い白簱史朗の写真展を開催します。
白簱史朗は、1933(昭和8)年に山梨県大月市で生まれ、1951(昭和26)年から富士山の写真家・岡田紅陽に師事した後、1962(昭和37)年に独立し、日本アルプス、富士山などの日本の山々や、ヨーロッパ・アルプス、ヒマラヤなどの世界各地の名峰を撮影しました。
中でも南アルプスは、1962年に写真家として独立した後、最初の一歩を踏み出した場所と言われ、主峰北岳との運命的な出会いを「おお、そこに何が見えたろう。日本第二の高峰、日本アルプスの覇者“北岳”が厳然として座していた。深く深く足下に切れこんだ野呂川の谷、その一気に落ち込んだ底から長蛇のごとくのび上がる大樺沢雪渓の源頭には、私が名のみ聞いて憧れるバットレス600メートルの垂壁があった。・・・(中略)私の心はいっぺんに北岳に吸い取られてしまった。そして、私と北岳、いや南アルプスを結びつけた絆がこの瞬間に生じたのである。」と述べており、彼の写真家人生で大きな位置を占める山となりました。
今展では、彼のライフ・ワークとも言える南アルプスの山々を中心に、富士山、八ヶ岳の山々など、白簱史朗が撮る日本の名峰の数々を展示します。