2008年から続く、住民参画型アートプロジェクトの一環として、2023年に2か年の計画で始まったのが、「小田原のどかつなぎプロジェクト」です。1年目の成果展として実施した津奈木町の16点の野外彫刻を候補者に見立てた「彫刻選挙」は、民主主義の根幹でもある「投票」という行為について、町内外の人々が共に考える機会となりました。プロジェクトの2年目は、さらにフィールドを広げ、津奈木町の田の神の石像、水俣市のモニュメント、熊本県内に点在する漫画を題材とした銅像について、住民の協力を得ながら考察を深めました。
2年間の集大成となる本展では、これらの考察結果を作品化して展示するとともに、1993年に上巻が刊行されるも、30年あまり未刊のままとなっている『津奈木町誌』の下巻をめぐる参加型作品も公開します。