「旅」をテーマに選んだ作品をご紹介します。作品の世界に入り込み、心を遊ばせることは、作品鑑賞の醍醐味とも言えます。それはいっとき心が旅に出ることなのかもしれません。
今回は深い旅情が漂う菊地武郎《ひねもす》、細密で不思議な描写に引き込まれる小柳景義《甲斐山高神代ノ樹》、北信の原風景のような小山オサム《北信五岳》など、見知らぬ場所、思い出の景色、想像の世界といった、様々な風景を描いた作品を展示します。作品に込められた想いが心の中の風景と響きあうとき、その人だけの旅路が立ち現れるのではないでしょうか。作品が織りなす風景を、旅をするように味わっていただければ幸いです。1階ロビーでは日本藝術院会員で小布施出身の金属造形作家 春山文典《旅する樹》など、旅にまつわる作品も展示いたします。
常設展示では、春の中島千波展「桜屏風とデッサン展」を開催します。小布施町名誉町民の日本画家 中島千波(78才)は、1983年から2024年まで、約40年、日本全国の桜の写生、桜屏風を描き続け、桜屏風は、約40点に及んでいます。その中で、おぶせミュージアム・中島千波館蔵の《坪井の枝垂れ桜》(長野・高山村)、《素桜神社の神代櫻》(長野県)など7点とそれぞれの大版デッサンを並べて展示しています。
ミュージアムのお庭の美しい花々と共に中島千波の桜をぜひご覧下さい。