写真家・土門拳が撮影した多様な“眼”に焦点をあてる展覧会を開催いたします。
ドキュメンタリーの傑作『ヒロシマ』や『筑豊のこどもたち』で被写体となった人々の眼に宿る光は、とても印象的です。何かを強く求め訴えかけてくるような眼があれば、現代の私たちの在り方を問うような深く静かな眼差しもあります。昭和の著名人たちの肖像を収めた『風貌』シリーズでは、激動の時代を切り拓いた者たちの才気あふれる視線に、時を超えて対峙できます。『文楽』や『古寺巡礼』といった作品では、日本美術史の中で生み出されてきた個性的な眼の造形の数々が鮮やかに切り撮られています。
土門拳が撮った膨大な“眼”の中に刻まれた時代と、今も生き続ける記憶を感じていただければ幸いです。
会期後半には一部展示替えを行い、今年で30回目を迎える酒田市土門拳文化賞の受賞作品展と、地元・庄内地域にゆかりのある若手写真家 / 美術家の作品とともに土門拳を再考するグループ展「KDMoP Shonai Photo Meeting -リミックス土門拳-」を順次開催いたします。