山形県鶴岡市に生まれた精神科医の高橋龍太郎氏は、1990年代より日本の若手作家を中心に現代美術のコレクションを本格的に開始します。新たな作家の発掘や作品の再評価を精力的に行い、3000点を超えるそのコレクションは、日本を代表する現代美術コレクションとして知られています。本展では、高橋龍太郎氏のコレクションのツールとなる作品をはじめ、2000年以降の社会を反映するように拡張しつづける日本の現代美術のエッセンスを約70点で紹介します。
「カンヴァスの同伴者たち」というタイトルには、アーティスト、コレクター、キュレーター、そしてわたしたちすべてがアートの同伴者であるという高橋氏の思いが込められています。またそれは同時代の美術を射る高橋龍太郎氏の姿そのものといえるでしょう。
1964年に開館した山形美術館は、地域に根差す美術館活動を重ね、本年で60年を迎えます。時代を写し、わたしたちとともにあるアートの出会いを、山形でお楽しみください。