幕末から明治期にかけて浮世絵界で一大勢力を誇った歌川派。18世紀後半に活躍した歌川豊春に始まり、幕末には国貞(三代豊国)、国芳、広重など人気絵師を多数輩出しました。歌川派は、美人画、役者絵、武者絵、名所絵、戯画などあらゆる分野を席巻し、「歌川でなければ人にあらず」といわれるほどの隆盛を誇りました。
その流れは浮世絵が廃れていった明治期以降も形を変えながら続き、大正・昭和期には新しい木版画芸術である「新版画」の画家たちを生み出しています。
本展では豊春や豊国など歌川派黎明期に活躍した絵師や国貞(三代豊国)、国芳、広重など幕末の巨匠たち、激動の明治期の芳年や芳幾、そして、「新版画」の代表的な画家である伊東深水や川瀬巴水などの作品を時代を追って展示し、歌川派の活躍と作風の変化を見ていきます。