インスタレーションやパフォーマンスなど、現代美術に見られるさまざまな表現には、今もダダの精神が失われることなく息づいています。北海道で遅れて花開いたダダ展=「SEVEN DADA'S BABY」は、オルガナイザー・柴橋伴夫によって、1982年ギャラリーユリイカ(札幌)で開催されました。7名のアーティストは、「SEVEN DADA'S BABY」のほか、北海道の地で起こった「The VISUAL TIME」「シーサイド展」「Today」「今日の正常位展」などで作品を発表し、既存の美術の枠組みを超えた新たな表現で美術界に刺激を与え、北海道の前衛美術が活況を呈していく原動力となりました。
本展は、40年前の展覧会と1980年代の時代をあらためて見直し、北海道の現代美術をリードした7名を柴橋伴夫とともにピックアップし再考するものです。ダダをキーワードに、自然物や廃材を使ったインスタレーション、物質そのものを提示するオブジェ、コミュニケーションアート、パフォーマンスの領域をご紹介します。
本展では、阿部典英、荒井善則、岡倉佐由美、佐渡富士夫、千葉豪、楢原武正、さらに当館の代表的な収蔵作家・一原有徳を加えた7名のアーティストを選び考察いたします。開催から40年以上が経過し、現在それは受け継がれているのか、それともどのように変容したのか、7人のアート・ドキュメントとして、80年代以降現在に至る作品を展覧するものです。