開館23年目を迎えた岐阜県美術館の全面的な協力により、日本近・現代における絵画の名品100選展を開催いたします。
日本のほぼ中央に位置する岐阜の文化は、その地理的条件から必然的に日本の東西文化両方の影響を受けつつ育まれ、多くの美術家を輩出してきました。そのような風土と歴史のなか、岐阜県美術館は1982年11月に岐阜市の郊外に開館しました。以来、岐阜県美術館では、世界的に知られるルドンのコレクションに加え、近・現代の日本画、洋画においても芸術的価値の高いコレクションが形成されてきました。それらのコレクションの中核をなす郷土岐阜県出身の多士多彩な作家の作品や郷土とかかわりの深い作家に加えて地域性を越えた優れた作家の作品を中心に、明治から平成にかけての日本画、洋画、そして現代美術に至るまで多種多様な選りすぐりの作品100点を一堂に紹介します。
日本画では、前田青邨、川合玉堂、川﨑小虎、加藤東一など、洋画では、山本芳翠、北蓮蔵、熊谷守一など近代日本美術史上に重要な足跡を残した数多くの美術家たちが、岐阜県をふるさととしています。それらの作家に加えて、岐阜県美術館には、浅井忠、中村不折、藤島武二、藤田嗣治、岸田劉生などの名品が所蔵されています。
本展覧会は、これらの優品名品の数々により、バラエティー豊かで変化に富んだ構成となることでしょう。時代の流れや各作家の個性、感性を感じ取りながら様々な視点から鑑賞していただくことにより、日本近・現代美術史の流れの一端を概観しながら、名画の魅力を十分に堪能し、楽しんでいただけるものと思われます。