オランダのユトレヒトという小さな町に生まれたヘリット・トーマス・リートフェルト(1888-1964)は、デザイン史に大きな足跡を残す家具デザイナーであり建築家です。彼がデザインした有名な「赤と青の椅子」は現在も生産され、彼の建築した「シュロイダー邸」は、2000年に世界遺産に指定されるなど、今もなお世界の人々から愛されています。
リートフェルトは当時オランダに登場した新しい造形運動「デ・ステイル」に影響を受けながらも、あくまで手作業と実作業を大切にしたクラフツマンシップをもって、伝統的な家具職人の父親から受け継いだ確かな技術を用い、ちょっとした工夫や楽しい遊び心を取り入れながら、使い易さを考え、使う人にとって日々の生活を満たす家具作品をつくりました。
「だぼ継ぎ」「ほぞ継ぎ」などの伝統的な土木技術を駆使し、可能な限り単純化して組み立てた『かたち』は、空間に無限の広がりを、原色を用いた『色』は、見るものに豊なイマジネーションを与えてくれます。
本展では、リートフェルトのデザインを“楽しむ・体験する・発見する”をテーマに、彼の代表的な椅子や家具作品、シュロイダー邸の建築模型を展示し、CG映像などを交え詳しく分かりやすくご紹介いたします。その他、実際に座ることのできる椅子や、ミニチュアの「赤と青の椅子」をつくるスペースなどを設け、大人も子どもの楽しめるものです。また、同じユトレヒトで生まれリートフェルトから大いに影響を受けたディック・ブルーナ(1927-)の愛すべきキャラクター「ミッフィー」が案内役をつとめます。
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