落合朗風(ろうふう)(1896~1937)は、大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家。再興日本美術院展覧会や帝国美術院美術展覧会、青龍社(せいりゅうしゃ)展覧会において作品を発表し、それぞれの団体のなかで中心的活動を果たしました。そして昭和9(1934)年には青龍社を脱退し、自らの主宰する美術団体・明朗(めいろう)美術連盟を川口春波(しゅんぱ)とともに創設しました。展覧会を重ねるごとに連盟の活動は洗練さを増し、「日本画」の既成概念に一石を投じる先駆的作品を次々に発表していきました。
しかしながら、春季試作展の開催を目前に控えた昭和12年4月15日、朗風が40歳という若さで急逝してしまったこともあり、彼と連盟の評価は現在も未だ定まっていません。本展は、55年振りに開催する落合朗風の大規模回顧展―落合朗風とゆかりの深い島根の地において、彼の画業を改めて振り返るとともに、明朗美術連盟を通して朗風とその仲間たちがどのような「日本画」の未来を夢みていたのか考えていきます。
開館25周年を記念した当館オリジナル企画のため、巡回の予定はありません。是非お見逃しなく!!