平安時代に紫式部が書いた長編小説『源氏物語』は、千年もの時を経た今もなお、人々に読み継がれる不朽の名作です。江戸時代には、柳亭種彦(りゅうていたねひこ)が『源氏物語』を翻案した合巻『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』を執筆し、ベストセラーとなります。この、『偐紫田舎源氏』の挿絵を手掛けたのが三代歌川豊国(国貞)。本展覧会では『偐紫田舎源氏』やその続編をもとに描かれた浮世絵、三代歌川豊国(国貞)による「今源氏錦絵合(いまげんじにしきえあわせ)」を中心に、江戸時代の『もうひとつの源氏物語』を紹介します。