「福島アートアニュアル」は、福島県出身・ゆかりの若手作家を紹介するシリーズ企画です。
第3回展となる今回は、安齋茉由(1999年二本松市出身)、ク渦群(1993年南相馬市生まれ)、髙木ちゃー(1997年福島市生まれ)を取り上げます。
1990年代以降、現代美術においていわゆるACG(Anime, Comic, Game)カルチャーのモチーフや世界観を導入した表現は珍しいものではなくなりましたが、特に近年ではSNSの発達とともに、pixiv(ピクシブ)をはじめとするオンライン・コミュニティにおいて二次元キャラクターを題材とする作品が注目を集めるなど、こうした傾向は一層高まりをみせています。
今回ご紹介する3名はいずれも、これら二次元コンテンツとの強い親和性をうかがわせる絵画作品を制作しています。デジタル技術の進歩がリアルとバーチャルの境界を限りなく曖昧化していく現代にあって、若いアーティストたちは二次元に何を求め、その向こうに何を見出そうとしているのでしょうか。彼女らの創作活動をもとに、その意味と可能性について考えてみたいと思います。