古来より瀬戸内海航路の重要な港として繁栄してきた兵庫津は、戦国時代には織田信長や豊臣秀吉ら武将たちの保護を受け、池田恒興によって都市の整備が進められました。
江戸時代の兵庫津はこの都市を基盤に発展し、18世紀には2万人を越える人々が暮らしました。最近の発掘調査によって見出された生活道具や、町屋の跡はその一端を私たちに教えてくれます。人々は、芝居や相撲を楽しみ、祭礼の時には華やかな堤灯やそろいの法被でまちをねり歩きました。
文化の面では学者や詩人、画家たちが活躍し、江戸時代を代表する文人与謝蕪村と兵庫津一の豪商北風荘右衛門との交流があったことも知られています。
また蝦夷地との交易で活躍した北前船や、知多半島を拠点として江戸と上方を結んだ尾州廻船とも深いつながりを持つなど、海運においても独自の発展をみせました。
本展覧会では、江戸時代に港町として繁栄した兵庫津の歴史をひも解く資料を一堂に展示し、その魅力を紹介いたします。