こっぱ、
音が好きだな、と思った。
取るに足らない、役立たずの、なにかのついでに、できてしまったもの。
平らな面に、絵の具をくっつけている。
くっつき方は様々で、乗っかったり染み込んだり、引っかかり、透け、隣りの色を押し広げたりする。
モチーフは、どんどん自分に近いものになってきた。机の上の模様、違う種類のみかん、強い風が吹いていた庭。
しゃがんで見た足元。
目に映ったものごとの、何を見て、何を見逃しただろう。
絵を描く事は、このことを考え続ける助けになっている。
「別々のものはそのままに、ひとつずつ断片のまま」描く事を集めている。