余分なものを削ぎ落とし、絵画の造形性を追求することによって、自然と人間の確かな存在を表現する。
「堀内規次パステル画」は、本間美術館では三度目の堀内氏の展覧会になります。
堀内氏は当地出身の仏文学者・齋藤磯雄氏の友人であり、齋藤氏の薦めにより、1985年に「堀内規次自選展」、没後の2017年に「野田弘志と堀内規次」を開催しています。当館以前に酒田で二度個展を開催するなど、酒田とゆかりのある画家です。
堀内規次氏は1921年東京生まれ。東京美術学校油絵科に進むが、1940年に中退。その後は美術文化展に出品、受賞し1945年に美術文化協会会員に推挙されますが、1947年に退会。そして、1960年の退会まで自由美術家協会会員となります。1953~55年に渡欧。帰国後は朝日選抜秀作展、毎日現代美術展、毎日国際美術展に招待出品されています。1960年に梅田画廊で個展を開催、以後二年に一度の開催を続けます。さらに、同年、美術グループ土時代の結成に参加。メンバーには森芳雄、浜田知明、齋藤眞成等がいます。具象によって結ばれたグループでした。1973年と1983年に三人展(堀内規次、斎藤真成、中西勝)を開催していますが、1970年以降は個展での発表が主になります。1992年に没。
堀内規次氏は時流とは無縁な画家です。余分なものを削ぎ落とし、絵画の造形性を追求することによって、自然と人間の確かな存在を表現してきました。
今回はパステル画による展覧会です。厳しい中に優しさの籠る作品をご紹介いたします。