この度サンリツ服部美術館では、令和6年(2024)の十二支・辰にちなみ、龍が描かれた作品をご紹介いたします。
龍は想像上のいきもので、東洋では水や天候を支配する霊獣として古くから信仰されてきました。また、権威や高貴の象徴とされ、うつわや衣服などの文様として多く描かれています。龍といえば、長い身体を大きくくねらせ、鋭い爪を持ち、大きく開いた口と鋭い目の迫力ある姿をイメージされる方も多いでしょう。多種多様な龍の表現のなかには愛らしい表情やどこかひょうきんな印象を与えるものもあり、人々が龍に対して畏怖や憧れだけでなく、親しみを持っていたことが窺えます。
本展では、荒れ狂う海の上を悠々と飛翔する龍を描いた青花の壺や、龍の背景に長寿を象徴する鶴や霊芝の文様を表した漆器の盆などを展示いたします。工芸品に表された個性豊かな龍の姿をご覧いただきながら、明るく華やかな新年のひとときをお過ごしくださいますと幸いです。