"靴は""歩く""という動作をおぎなうための、私たちにとって最も身近な道具の一つであり、また、さまざまにデザインされた靴は造形的な魅力に富んだオブジェとして私たちの日常生活を装飾するアイテムでもあります。
本展で紹介するヤン・ヤンセンは、母国オランダにおいてはもちろん、広く欧米で高く評価されている現役のシューズデザイナーです。
その活動を会した1960年代から今現在まで、約40年にわたる彼のキャリアのうちには、際立ったものだけを挙げても、国際的デビュー作となった籐を素材に使った≪バンブーシューズ≫(1973)、全米で100万足以上売れたという≪ハイヒールスニーカー≫(1977)、90年代に大流行したいわゆる厚底靴の先駆けとなったモデル(1989)などがあり、2002年にはその業績を集大成した大回顧展がオランダとドイツにおいて開かれ、大きな反響を呼びました。そして彼は60歳を過ぎた今も衰えを知らない想像力で次々と新作を発表しつづけています。
ヤンセンは斬新さと比類ない独創性をそなえた、靴の世界有数のトレンドセッターであるといえましょう。
わが国初公開となるヨーロッパ屈指のシューズデザイナー、ヤン・ヤンセン。本展では初期のものから最新のモデルまで、130点の作品によってこの知られざる巨匠の全貌をごらんいただきます。"