絵本『ひかりの世界』は1997年、佼成出版社から刊行されました。一人の少年がこの世界から旅立ち、悲しむ母親に「ぼくは元気だよ」と語りかける内容です。生と死を扱った内容はとてもデリケートなものですが、葉祥明は、ひかりに包まれた清らかで心穏やかな世界として描き出しています。愛する者をなくした人、いのちの永遠性を信じる人、生きることの意味と人生の目的を考えるすべての人へ語りかけます。「生命」「愛」「人生」って何でしょう。そして「死」って何でしょうと。美しい絵と優しい言葉で、癒しと希望をもたらす本作を今回、はじめて企画展として原画を展示します。