本居宣長の学問を継承し復古新道を確立した平田篤胤、幕末に広汎なネットワークを駆使して情報収集を行った平田銕胤と延胤。国立歴史民俗博物館では、平田篤胤・銕胤・延胤三代の気吹舎(いぶきのや)史料について共同研究を進めてきた。その結果、我が国の歴史研究上、重要な新事実があまた浮上した。しかしながら、このような高い資料的価値にもかかわらず、一連の史料はこれまでほとんど未公開であった。
このような状況のなかで、今回の特別企画では、共同研究の成果を受けて、平田篤胤の活動初期の1800年代から明治初年の1870年代までを対象に、幕府内で極秘のはずのロシアからの外交文書など、これまでほとんど未公開であった貴重な資料をもとに、幕末維新期における全国四千余といわれる門弟達の政治活動等及び、銕胤・延胤の明治新政府内で果たした役割等もふくめ展示紹介する。