What is 「芸術未来研究場(GEIJYUTSU MIRAI KENNKYUJOU)」?
芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の5つの領域を設定しました。
ケア・コミュニケーション…医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求する。
アートDX…デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げる。
クリエイティヴアーカイヴ…多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進する。
キュレーション…対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究。
芸術教育・リベラルアーツ…東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進する。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。
参加アーティスト/プロジェクト
秋田亮平+芸術情報センター、岩崎広大*、大原崇嘉*、
香川県・東京藝術大学 瀬戸内海分校、キュレーション教育研究センター、
共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点
(東京藝術大学桐山孝司研究室・株式会社オリィ研究所・株式会社QDレーザ・株式会社乃村工藝社・ヤマハ株式会社)、
高校生×秋本瑠理子*、桒原寿行*、クロエ•パレ・平河伴菜・アリウェン*、
杉浦瑛優・三宮柾名・ensemble souvenir*、Diversity on the Arts Project(DOOR)、
東京藝術大学音楽学部吉井瑞穂研究室 + 美術学部古川聖研究室*、取手アートプロジェクト*、
4roots 展開する世界*、藤田クレア+白石晃一+石川琢也*、浜田卓之*、日比野克彦、
古川聖・ウォルフガング ミュンヒ、本間悠暉*、丸山素直(他、東京藝術大学美術学部デザイン科学生・卒業生)*、
宮本凱土・ヨコミゾマコト・金暁星・加藤雄大・平松那奈子(東京藝術大学建築科大学院環境設計第二研究室)*、
未来創造継承センター
*…「I LOVE YOU」プロジェクトは、東京藝術大学が、芸術が持つ無限の可能性を社会に向けて伝え、実践によって示すために開始した、全学的なプロジェクトです。2023年はアートDX領域とケア&コミュニケーション領域で作品・研究を募集しました。
ケア&コミュニケーション領域「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」
…福祉・医療・テクノロジーと融合したアートコミュニケーションによって、誰もが「自分らしく」いられる共生社会の実現を目指します。薬ではなく、人々のつながりを処方する「文化的処方」の開発・社会実装で孤独孤立を解決します。
URL=https://kyoso.geidai.ac.jp/