ラブ&ピース!今回の岡本展では平和や自由のシンボルである鳩を中心とした鳥モチーフの新作が多数展示される。岡本は特定の寓意をもつ数種の鳥と、言霊的作用を喚起する美術作品や企業ロゴ、あるいは政治的形象を(過激に)接続することで、多くの人が共有する価値や意味を撹乱させ、その問い直しをはかっていくのだ。諧謔を弄ぶかのようなそれら表現の奥底には強烈な風刺性と強靭な批評性が備わっている。世界各地で戦争が激化している今だからこそ、単純な表象に惑わされないよう、本展を通じて情報や知識を智慧へと昇華させていく思考法を身につけてほしい(と切に願う)。ラフ&ピース!
工藤健志(青森県立美術館美術企画課長)