兵庫陶芸美術館は、縄文土器から近代にわたる兵庫県産の古陶磁を中心とする田中寛コクションを収蔵品の母胎とし、平成17年(2005)に開館しました。開館以後は、古陶磁に、作り手の創造性、芸術性が発揮された現代陶芸をくわえ、「車の両輪」としてコレクションの充実を図ってきました。
開館時に1,046件であった収蔵品は、令和を迎えた時点で2,364件に、そして令和5年(2023)には3,274件と増え続けています。この19年に及ぶ収集によって、古陶磁は田中寛コレクションでは充分ではなかった分野が補われ、現代陶芸は国内外の著名作家や、新進気鋭の若手作家の作品も徐々に充実しています。
作品収集は、購入・寄贈などでおこなっていますが、近年の傾向をみると、寄贈が大きな比重を占めるようになってきています。
当館のコレクション、とくに古陶磁は、作られてから永い年月を経ています。現代陶芸をふくめ、いずれも「コジン」が手にし、そして賞玩し、多くの「コジン」が愛蔵してきた逸品です。収蔵しているコレクションは、まさに幾多の「コジン」からの「オクリモノ」といえます。
本展では、令和に新たに収蔵した作品のうち、ロットで現代の私たちにとどけられた4つのコレクションと、兵庫県内各地の古陶磁を紹介します。