- タイトル等
秋季特別企画展
広重翁 晩年の画業と「写真(しょううつし)」
写真(しょううつし)をなして是に筆意(ひつい)を加ふる時は則(すなわち)画なり
- 会場
- 中山道広重美術館
- 会期
- 2023-10-05~2023-12-10
前期:10.5(木)-11.5(日)
後期:11.9(木)-12.10(日)
- 休催日
- 月曜日(ただし、10.9(月・祝)は開館)、10.10(火)、11.7(火)~8(水)、11.24(金)
- 開催時間
- 午前9時30分~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
- 観覧料
- 大人/820円(660円)
( )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。
【中山道広重美術館スポンサー制度協賛企業】
○毎週水曜日は観覧無料、フリーウエンズデー
〈スポンサー〉(株)エナ重機、ナカヤマ・グループ、(株)デジタ
●毎週金曜日は観覧無料、フリーフライデー
〈スポンサー〉(株)銀の森コーポレーション、楽園住宅・カネコ・木KeyPoint、(株)サラダコスモ ちこり村
- 主催者
- 恵那市、恵那市教育委員会、(公財)中山道広重美術館
- 概要
江戸時代後期を代表する浮世絵風景画の名手、歌川広重(一七九七~一八五八)。天保年間(一八三〇~四四)に「東海道五拾三次之内」(通称、保永堂版)や「木曽海道六拾九次之内」を手掛けた後、改革による出版統制を乗り越えた広重は、浮世絵出版界の再興隆と共に数多くの作品を世に送り出しました。今なお世代や国を越えて多くの人々を魅了してやまない情景は、どのように生み出されてきたのでしょうか。
五十代を迎えた嘉永年間(一八四八~五四)、広重は絵を習う者に向けた版本である絵手本を複数冊手掛けています。そのうちの一冊に、草花や魚介類を取り上げ、写実的な「写真(しょううつし)」と簡略化した「草筆」という二様の描き方を図解した『絵本手引草 初編』があります。冒頭では、広重の自序として「画は物のかたちを本とすなれば写真をなして是に筆意を加ふる時は則(すなわち)画なり」と説いており、対象の真を写し取る「写真」を基本とし、そこへ運筆の趣「筆意」を加えることで独自の画風に昇華していたことが分かります。本書の最後には、「風景をえかくも又割かたの心得あり」と続編の制作が宣伝されていますが、残念ながら出版は確認されていません。しかし、風景を描く上でも自身の画法を確立していたことがうかがえます。
「写真」を重んじる広重は、多忙な日々のさなか甲州や房総へ足を運んでおり、こうした旅の経験やスケッチを基に各地の名所風景を手掛けることもありました。一方で、実際には訪れていない場所を描いていることも、しばしば指摘されています。広重は、自身のスケッチや先行作品の図柄をそのまま引用するのではなく、多彩な筆致や構図を大小さまざまな判型に合わせて駆使し、表現意図に即した景観へ再構成しました。調和のとれた配色で摺り上げられた叙情豊かな風景には、旅を愛した広重自身の情感が込められています。
本展では、嘉永元年(一八四八)から数え六十二歳で没する安政五年(一八五八)までの約十年間を中心に、晩年の代表作を通して広重風景画の核心に迫ります。風景画の第一人者として年功を積んだ広重翁による、老成円熟した筆遣いや色使いの妙趣をお楽しみください。
- イベント情報
- ■学芸員による作品ガイド
日時:10.15(日)、11.19(日) 各日午前10時30分~ (40分程度)
場所:展示室1、2(1、2F)
■解説ボランティア幽遊会による作品ガイド
日時:随時(要事前予約)
- ホームページ
- https://hiroshige-ena.jp/exhibitions/20231005