藤田嗣治の没後55年を迎える 2023年は、彼がはじめて渡仏してから110年目の節目の年でもあります。藤田は1913年に渡仏して以降、画家として着実に歩みを続け、1920年代には「素晴らしき乳白色」と称される画風を確立してエコール・ド・パリの寵児として名を馳せました。戦後はフランスに帰化して、レオナール・フジタと改名しています。
この度は、藤田の名品の所蔵で知られる平野政吉コレクションをはじめとする国内各地の美術館、及び個人コレクターにご出品をいただき、フランスにおける藤田の作品を中心に展観いたします。また、茨城県と友好関係を結ぶエソンヌ県(フランス共和国)に関連画像をご提供いただき、藤田が終の棲家としたヴィリエ=ル=バクルのアトリエや同県の様子についても紹介し、フランスで半生を送った藤田の制作の背景までご覧いただこうとするものです。