明治時代に入り、日本が近代化へと進む中でもたらされた西洋の油彩画やその技法は、「洋画」という新たなジャンルとして定着しました。日本の若き洋画家たちは、渡欧を経て、西洋絵画の基礎を学ぶと同時に、当時の芸術の動向を直接肌に感じながら各々の表現を模索、それはやがて、半世紀後の昭和戦前期に多くの個性的な画家が活躍する時代へと繋がっていきます。
公益社団法人糖業協会の歴代理事長により収集されてきた日本近代洋画コレクションは、昭和10年代を中心に、大正期末から昭和中期までの作品で構成されています。なかでも昭和5年に結成された独立美術協会に参加し、西洋の油彩画法の模倣に留まらない、独自の表現を求めて新風をもたらした画家たちの作品が多いのが特徴です。
本展では、協会が所蔵する珠玉のコレクションから、個性豊かな日本近代の洋画家たち41名の作品、計56点を前期29点と後期27点に分けてご紹介します。
名品に触れながら、それぞれの画家が追い求めた美の世界をお楽しみください。