芸術のことは自分に従う
日本を代表する小津安二郎(1903-1963)は、茅ヶ崎との関わりが深い映画監督です。一部の映画では撮影ロケ地にもなりました。代表作である『晩春』『麦秋』『東京物語』は全て小津が定宿とした「茅ヶ崎館」で、脚本家の野田高梧(1893-1968)と共同執筆したことでも知られています。
本展では、映画に関する資料や小道具、旧蔵品や直筆資料などから、映画や私生活から垣間見る小津の美意識に注目します。セットの配置や構図、小道具の形状、カラー映画では色彩にもこだわり抜くほか、自ら筆をとり、遊び心あふれる絵画も残しています。小津の高い美意識をうかがい知るとともに、それらに裏付けられた映画作品を通じて何を伝えようとしていたのかを探ります。