画家のための自由な団体
夢の実現とそれぞれの表現
春陽会は一九二二年に帝国美術院、二科会に拮抗する第三の洋画団体として、すでに知名度のある画家たちにより組織された歴史ある美術団体です。春陽会を舞台に、日本近代美術史に登場するような画家たちが活躍してきました。春陽会の初期の展覧会には油彩だけではなく、版画、水墨画、素描、さらには新聞挿絵の原画などが自由に出品され、画家たちが作品を批評しながら芸術のために研鑚を積み、次世代育成をも念頭に基盤を固めていったのです。
本展は、春陽会の創立から一九五〇年代頃までの展開を、一〇〇点以上の作品で辿ろうとするものです。