冬の長い北欧では、家の中での暮らしを大切にしてきました。本展では、デンマークとスウェーデンに焦点をあて、19世紀末から20世紀の陶磁器、銀器、ガラス器を中心に、北欧デザインの魅力を紹介します。
デンマーク王立磁器製作所を起源とするロイヤル コペンハーゲンは、上質な磁器の生産で早くから国際的な評価を得、19世紀には技術とデザインの革新によって北欧アール・ヌーヴォーの先駆けとなりました。同時期に人気を競い合った窯にビング オー グレンダールがあり、そこで陶工としてキャリアをスタートしたジェンセンは、のちに銀製品で名高いジョージ・ジェンセンを創業しました。
いっぽう、スウェーデンには北欧最古の陶窯とされるロールストランドがあり、品格ある製品を送り出しています。また同国のスモーランド地方では古くからガラス工芸が盛んであり、1950年代のオレフォスやコスタによる探究を経て、芸術品として高い評価を受けるようになりました。
本展では、国内外の個人による稀少なヴィンテージ・コレクションからおよそ200点をあつめてご紹介します。北欧デザインの魅力をたっぷりと味わえる展覧会です。