石黒光二氏(1952年-)は、酒田市山谷(旧平田町)出身の彫刻家です。多摩美術大学彫刻科卒業後、同市出身作家・高橋剛(1921-1991)に師事。1975年の第5回日彫展、1976年の第8回日展にそれぞれ初出品し、現在に至るまで出品を続けています。1993年には日彫展西望賞、2016年には日展内閣総理大臣賞を受賞するなど、彫刻界で高い評価を受けています。また、全国の野外彫刻も多数手掛け、中でも地元酒田市に設置されている作品は庄内の自然と人々の暮らしのなかに溶け込み、地域の方々に親しまれています。
石黒氏は、人物と幾何(きか)形態を組み合わせた塑像(そぞう)による心象(しんしょう)表現によって、空間との調和やかたちそのものに宿る美しさを追求してきました。本展では、初期作品から近年発表された新たな作品約50点を一堂に会し、人物と幾何形態によって生み出される心象空間の世界を紹介します。