米子市美術館は今年開館40周年を記念し、Ⅰ期写真編、Ⅱ期版画編、Ⅲ期洋画編、Ⅳ期では2会場にて彫刻編、日本画・書・工芸編の4期に分けてコレクションの全貌を紹介いたします。
当館はこの地の芸術的写真活動の重要性を鑑み、1989年から「写真収集5カ年計画」を実施し、現在、写真作品は841点の収蔵をしています。
大正末に米子最初のアマチュア写真団体「米子写友会」が誕生して以来、植田正治、岩宮武二、杵島隆、村上誠三、岩佐保雄ら郷土出身の写真家とともに「中国写真家集団」、「銀龍社」、「写真家集団エタン派」などが結成され、写真活動が盛んでありました。その一因として植田正治が郷土に居ながらにして世界に芸術作品を発信し、多くの写真家が米子に集結したからといっても過言ではないでしょう。また岩宮武二や杵島隆のように、大阪や東京に活動の場を移して国内外で活躍した郷土ゆかりの写真家もいます。
Ⅰ期写真編では、昭和期の芸術写真を郷土ゆかりの写真家とその関連作家の作品で約100点を展示します。
関連事業として、当館学芸員でもあった蔦谷典子氏(島根県立美術館主任学芸員)を講師に、米子市美術館写真コレクションまた山陰両県の写真家についての美術講演会を行います。