絵をみるとき、私たちはそこに何をみているのでしょうか?
画面に描かれた形、色、線といってしまえば単純ですが、それら物質的な要素をとおして感じられる“何か”、画面をとおして感じられる“何か”をみることが、作品鑑賞の豊かさではないでしょうか。その“何か”は人によって様々です。
本展では、通常、展示の際に作品に付されるキャプションをつけません。作品の題名、作者、制作年代といった文字情報をもつ前に、まずは目の前の絵と向き合っていただきたいというのが本展のコンセプトです。作品との対話は、同時に、作品をみつめている自分自身との対話でもあるといえるでしょう。
来館者お一人お一人が、絵をみることに心を澄ましていただけたら幸いです。
展示作品:竹内栖鳳、井上三綱、矢部友衛、平松礼二などの絵画作品約12点