日本画家・平松礼二は、日々の暮らしの中で身の周りの花や生き物に命の美しさを感じ、自然の中に創作意欲を掻き立てられてきました。
町立湯河原美術館の開館25周年にあたる令和5年度の平松礼二館では、1年を通して季節ごとに四季折々の花々や風物を描いた作品を展示する企画展を開催します。
夏を代表する平松の作品は、印象派の画家、クロード・モネの睡蓮を題材にした作品群です。平松にとって「睡蓮」は、1994年に初めてフランスを訪れた際に、モネの〈睡蓮〉の大作に衝撃を受けて以来、描き続けているライフワークともいえるテーマです。その翌年から、フランスに今も残されているモネの手がけた庭園を季節ごとに訪れ、現場で描いたスケッチを元に構想を膨らませて作品を制作しています。
モネ財団から友情の証として平松に贈られた「モネの睡蓮」が移植されている当館の庭園。その花が咲く季節に合わせ、睡蓮を中心に夏をイメージする作品を集めて展示します。