花や草木に、鳥や昆虫、犬・猫・兎・鹿などの小獣を加えて描く絵画を「花鳥画」と総称します。
花鳥画の発祥は古く、中国では既に六朝時代(3世紀前半~6世紀)に描き始められています。日本では、南北朝時代(1331~1392)の頃から、渡来した禅僧たちの影響を受けて水墨による花鳥が鑑賞画として描かれるようになりました。
四季の変化が明確な日本では、季節に合った花が愛でられ、六曲や八曲という屏風の形体を得て、右隻に春夏、左隻に秋冬が描かれ、一年の変化の様子を表した屏風が制作されました。
今回の特別展示では、黄葉夕陽文庫に伝えられた、文久3(1863)年の≪四季花鳥図屏風≫の左隻を紹介します。