相模原市は、相模原市民ギャラリー自主企画展「岩橋英遠・岩橋崇至 ふたりのまなざし」を開催いたします。
本年、生誕120周年を迎えた日本画家・岩橋英遠は、北海道滝川村(現在の滝川市)に生まれ、画家を目指して上京したのち、相模原市を終の住処としました。
英遠は、伝統的な日本画を継承しながら前衛芸術運動にも積極的に参加し、常に新たな日本画の地平を開拓し続けました。一方で、郷里・北海道の地で養われた感覚により、深い洞察をもって自然の姿を描き続けました。
そうした革新性と自然へのまなざしが、独自の深遠かつ壮大な絵画世界へと結実し、1994年には文化勲章を受章するに至りました。
英遠の三男として生まれた岩橋崇至は、山岳写真家として北アルプスを撮り続ける傍ら、アメリカのロッキーや朝鮮半島の白頭山など、世界の山々を撮り、2000~2001年にかけて仏・伊・西・加で開催された「新世紀を拓く/世界10人の山の写真家展」では日本からだた1人メンバーに選ばれるなど、国際的なフィールドで活躍しました。
大学在学中から写真を学び、父の取材旅行に同行しては写真を撮り続けた崇至は、英遠とともに雄大な自然を見続け、父と重なるその眼で、壮大な風景を大胆な構図で活写してきました。
本展は、岩橋英遠の生誕120周年を記念するとともに、昨年11月に惜しまれつつ逝去した岩橋崇至を追悼するものです。本展を通じ、自然と真摯に向き合い続けた父と子、ふたりのまなざしが宿った作品の数々をご堪能ください。