1960年代後半、アメリカを中心にあらわれたスーパーリアリズム絵画。写真と見まごうばかりに克明に描き出されたその写実表現は、当時の美術界に大きな衝撃を与えました。
スーパーリアリズムの作家たちは、ショーウィンドウに映る街角や、メタリックな輝きを放つ車やバイク、どこにでもあるような調味料や玩具など、極めて日常的な光景を、写真を利用しながら、主観を交えずに克明に描写しました。カメラアイを通して切り取られた現実を写し取る、いわば<リアルを超えたリアル>な絵画は、見るものに驚きを与えるとともに、絵画とは何か、写実的表現とは何か、という根元的な問題を改めて提示しています。
今回の展覧会では、スーパーリアリズムの画家27人による、67点の作品によって、現在にいたるまで40年にわたる、スーパーリアリズム絵画の動向を紹介します。