江戸の人々に親しまれた浮世絵には、しばしば動物たちが登場します。江戸三大ペットの猫、犬、金魚をはじめ、人と共に働く馬、猿から、舶来の象、孔雀、オウム、そして空想の珍獣まで、懐いたかと思えば時には化けたりと、様々な姿が描かれています。
また、彼らを可愛らしくも、滑稽にも、したたかにも描くのは、歌麿、広重、北斎から、歌川豊国、国貞、国芳など、誰もが知る人気絵師たちです。
美人画、役者絵、武者絵から幕末の開化絵…。しかし今回は動物たちが主役です。そこかしこに動物たちが登場する浮世絵は、人と動物がともに生きた当時の風俗を今に伝えています。
本展では、《暮らしの動物たち》《働く動物たち》《空想の動物たち》《舶来の動物たち》《肉筆画》の5章で140点を一堂に展覧します。まさに「浮世絵でみる動物図鑑」ともいえる本展で、ぜひ、浮世絵の楽しみ方を再発見してください。