横浜市金沢区の古刹として知られる龍華寺の菩薩坐像は、平成10年に新たに見出されたもので、脱活乾漆造(だつかつかんしつづくり)という、主に古代の仏像にみられる技法が使われ、またその様式も天平時代のそれを示すものです。この東国(関東地方)における新たな天平仏の発見は話題となり、横浜市指定有形文化財になりました。
本展覧会は、その龍華寺像を中心に構成します。第一部では、発見後に行われた龍華寺像の復元修理過程を中心に、乾漆仏とは何かということを、その他の事例も交えながら紹介します。第二部では、天平仏という重要な作品が、なぜ龍華寺に伝来したかを、歴史資料とその他の霊宝・名宝を交えながら合わせて紹介します。