八一を知るための入門編
八一は歌人として1,150首ほどの短歌を詠みました。主に奈良の風物や古寺古仏を題材としましたが、そればかりではなく、自然の美に陶酔した歌や戦争体験から生まれる当時の生活や世相を映した歌、新潟帰郷後の晩年に学芸生活の合間に詠んだ歌など幅広いテーマで時代背景を投影した歌も詠みました。
本展では27歳の時に初めての奈良旅行で詠んだ歌から、生涯で最後となった香川県八栗寺の梵鐘に鋳込まれた歌に至るまで、年代順に八一の歌を墨蹟、原稿、歌集などで紹介し、短歌からにじみ出る八一の人生をたどります。
また、良寛研究家で八一と早稲田大学の同級生だった相馬御風の生誕140年を記念し、八一と御風が敬慕した良寛の書作品や遺品などを展示し、両者の交流ぶりも合わせて紹介いたします。