こけしは私達の宝物
こけしはまぎれもなく日本の誇り、東北の誇りと信じます。
それは郷土玩具として二百年もの伝統を持ち、一本のこけしに工人ひとりひとりの心が宿っているからです。そのさまざまな表情は限りなく人をひきつけます。
亀井 昭伍(青葉こけし会創立30周年記念 こけしを楽しみこけしと遊ぶ 展に寄せて)
伝統こけしは、江戸時代後期の文化・文政期(1818~1830)に誕生したと云われています。その時代は、農閑期における湯治の習慣が定着し、温泉土産が開発されて、こけしもその一つとして生み出されたと伝えられています。
こけしの世界では、昭和10年代までに作られたものを「古作こけし」と呼び、残る数も少ないことから稀少な逸品として大切にしています。長い年月を生き残ってきた古作こけしは、一つひとつが力強い生命力を宿しています。まるで何かを訴えているかのようなこけし達です。