本展は、碧南ゆかりの人物で、真宗大谷派の僧侶、宗教思想家である清澤満之(きよざわまんし)(1863-1903)の生誕160年、没後120年を記念した展覧会です。
名古屋に生まれた満之は僧侶となった後、帝国大学文科大学(現東京大学)哲学科を卒業。大学に残らず大谷派が経営する京都府尋常中学校長に就任します。辞任後修道生活の中で結核に罹り、療養後に宗門改革運動を展開、この後上京した満之は真宗大学初代学監となる傍ら、門下らと「浩々洞(こうこうどう)」と名付けた宿舎で求道の共同生活を開始し、雑誌『精神界』を発行して近代的仏教信仰の確立をめざす「精神主義」を提唱しました。
本展では、満之の哲学的な思索や仏教求道、僧侶の教師であろうとした様子を跡付ける自筆原稿や写真、資料などから、満之の生涯と思想をみていきます。歴史小説家の司馬遼太郎に「これほど重要な人物」と言わしめた清澤満之とは。