5世紀の中・後半期は、巨大古墳、倭の五王、稲荷山古墳出土鉄剣銘や江田船山古墳出土大刀銘に代表されるように、古代国家の形成史において重要な時代です。特に倭王武-ワカタケル大王の時代は、大王と各地の首長との間で密接な関係が結ばれ、倭王権の構造が整った一つの画期とみられます。また、武器・武具などに技術革新がみられる時代でもあります。 横浜市域においては、青葉区・朝光寺原古墳群から出土した多量の武器・武具がこの時期の東国の首長とヤマト王権との関係を示唆しています。 この特別展では、古墳に納められた武器・武具の中で、特に甲冑に焦点を当て、それが東国地域の首長、ヤマト王権においてどのような意味をもっていたのかを、ヤマト王権の中枢部とその周辺の状況、東国地域の状況を主として考古資料を中心として探るとともに、ヤマト王権と東国地域との関係を考えていきます。