公益財団法人ひろしま美術館は、広島銀行が1978年(昭和53年)の創業100周年を機に、「愛とやすらぎのために」をテーマとして設立しました。同館は、印象派を中心としたフランス近代絵画や日本近代洋画を多数所蔵し、紹介しています。
日本の近代洋画は、明治期における西洋美術との本格的な出会いにより花開き、以降の大正、昭和にかけて、日本人が西洋の技法で描くことの意味や、単なる西洋の模倣ではない日本の洋画とは何かを模索しながら、様々な展開をみせました。今回の展覧会では、ひろしま美術館が誇るコレクションから、厳選した日本近代洋画の名作80点を展観し、その流れをたどります。
本展を通して、洋画の草創期を牽引した浅井忠や黒田清輝をはじめ、明治浪漫主義を代表する青木繁や藤島武二、大正期の個性として異彩を放った岸田劉生、昭和期に黄金時代を築いた安井曾太郎と梅原龍三郎など、69名の巨匠が描いた珠玉の名画をお楽しみください。