ワコウ・ワークス・オブ・アートでは2023年4月22日から5月27日までフィオナ・タンのこれまでの写真作品をご紹介するGallery Show(常設展)を開催いたします。
1990年代から映像作品を中心に発表してきたフィオナ・タンは、同時に数多くの写真作品も発表してきました。今回の常設展ではその中から2006年の《West Pier》、2008年の《Narsholmen》、2022年の最新作《Technicolor Dreaming》をご紹介します。
雄弁な構図とモチーフを特徴とするタンの写真作品には、ダイナミックな時間の物語とイメージの静謐な佇まいとが両立しています。写真作品は関連する映像作品の一貫として発表され、どのシリーズも入念なリサーチを基に制作されています。精緻なコンセプトを元に撮影されたタンの作品は、イメージの美しさと知的な探求の両方に言及しているのが特徴です。
また、映像作品では自身が撮影したイメージではなく市井の人々が残した写真(ファウンドフォト)をよく用いるタンですが、写真作品の多くは本人が撮影を行っており、作家の純粋な美意識が反映されているのも魅力です。