このたび笠岡市立竹喬美術館では、三重県立美術館の全面的な協力を得て、特別展「近現代日本画 三重県立美術館名品展」を開催します。
三重県立美術館は、当館と同じ昭和57(1982)年に開館し、昨年、40周年を迎えました。コレクションの概要は、三重県ゆかりの近世絵画、近現代の日本画や洋画、スペインを中心とした西洋近現代美術など多岐にわたります。その数は、6,000点以上になります。
なかでも、日本画のコレクションは、京都の四季を清澄典雅な画風で描いた宇田荻邨(1896-1980)や、同時代の女性を繊細な現代風俗で描いた伊藤小坡(1877-1968)など、三重県出身画家の、特色ある作品を所蔵しています。また、明治から昭和にかけて、“東”と“西”でそれぞれ画壇を牽引した横山大観(1868-1958)、竹内栖鳳(1864-1942)を始め、戦後、モダンで清新な画面を展開した中村岳陵(1890-1969)、大胆かつ繊細な画風で画壇に大きな影響をあたえた横山操(1920-1973)など、充実した内容を誇っています。
本展では、三重県立美術館の日本画のコレクションから、宇田荻邨を中心とする京都画壇、加えて、東京画壇の画家20名を超える約40点の作品を通して、近現代日本画の名品をご堪能いただきます。