本展は、近年収蔵された資料を紹介するために企画された。文化庁ホームページでは、博物館とは「資料収集・保存」「調査研究」「展示」「教育普及」を一体的に行う施設と紹介している。一般の目に触れるのは「展示」が多いため、ともすれば「展示」が博物館の最も重要な役割のようにも捉えられるが、実際に博物館の役割の根幹となるのは、「資料収集・保存」である。岡崎市美術博物館でも、購入・寄託・寄付などの方法で資料を収集しているが、常設展示室をもたない同館では、展示できていない資料がまだ多数保存されている。
そこで本展では、令和3年度に購入した「本田忠民行行列図巻」をはじめ、朝鮮侵略の際に出された徳川家康の書状や、一八二六年(文政九)の伝馬町(現岡崎市伝馬通)の家並み記した間口図など、近年発見された歴史資料を紹介し、それらを通じて博物館の活動への理解を深めてもらうことを目指すとのことである。展覧会の担当者は「学芸員という仕事の醍醐味である、資料を発見した時のワクワクを追体験してもらえれば」と話す。