中国出身の国際的芸術家、現代美術家である蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう、1957年生)の大規模な個展を開催します。蔡は、東洋哲学、社会問題を作品の基本コンセプトとし、火薬絵画、インスタレーションや屋外爆破プロジェクトなどで評価されてきました。1986年末から約9年間、美術家として成長する重要な時期を日本で過ごした蔡は、1995年からはニューヨークに拠点を移して活動しています。アメリカに移った後も、日本との親密な関係を継続してきた蔡は、2007年にはヒロシマ賞を受賞し、2013年には、1980年代から続く福島県いわき市の人々との親交を背景に、自らデザインを手掛けた「いわき回廊美術館」も開館しました。
国立新美術館で開催予定の本展覧会は、初期の代表作である〈原初火球〉を宇宙の誕生になぞらえた起点とし、作家自身の活動の旅として、宇宙や見えない世界などをテーマとする展覧会です。国際的な活躍著しい蔡ですが、日本においては、2015年に横浜美術館で開催された個展「蔡國強展:帰去来」から8年ぶりの大規模な個展です。