本展では、熊本県下益城郡豊川村(現・宇城市松橋町)で育った塔本シスコの作品を紹介します。53歳の時、見よう見まねで絵を描き始めたシスコは、それ以降、身近な風景や出来事、子どものころの思い出などを、次々と絵画作品に描き留めていきました。団地の4畳半一室をアトリエに、油彩やアクリル絵の具の絵画はもちろん、空き瓶や空き箱、こたつの天板など身の回りのものもキャンバスにする、あふれる創作へのエネルギー。伸びやかで、色鮮やかな作品からは、描く喜び、身近な人びとや風景への愛情や感謝があふれてきます。
2023年2月、松橋で過ごした子ども時代の思い出などを描いた作品15点(絵画13点、造形物2点)が宇城市に寄贈されました。今から100年前、シスコは10歳。寄贈作品には、その頃の松橋の風景や生活の様子が描かれています。
自らの人生を自由に描き続けた塔本シスコに触発され、ゲストアーティストの荒井良二(絵本作家)、野村誠(作曲家)、itiiti(プロダクトデザイナー)が、宇城の人々との自由な創作活動シスコラボを展開。時間を超えて、協働で作り上げた作品で彩られた展示空間をお楽しみください。