この夏87歳になるアンドリュー・ワイエスは、アメリカン・リアリズムを代表する国民的な人気を誇る作家です。ワイエスは生まれ故郷であるペンシルヴェニア州チャッズ・フォードと夏に滞在するメイン州クッシングという限られた場所で、身近にある風景や人をひたむきに描き続けてきました。本展では「丸沼芸術の森」所蔵のオルソン・シリーズと呼ばれる水彩・素描コレクションの中から115点を厳選して展示します。クリスティーナとアルヴァロという二人の姉弟に出会い、亡くなるまでの30年間にわたって二人の生活を描き続けた彼の作品に触れることは、人間が生きて死んでいくということの普遍的な意味を、現代の私たちにも問いかけてくれることでしょう。