―自然と私との素直な対話―
自然との素直な対話を通して、四季折々の美しい日本の風景を描き続けた日本画家・小野竹喬(おの ちっきょう 1889~1979)。志摩市大王町波切の美しい自然に魅了され、《波切村》に取り組んだ三重県ゆかりの画家でもあります。
岡山県笠岡市に生まれた竹喬は14歳で故郷を離れ、京都で竹内栖鳳に師事しました。西洋の美術や芸術思潮に関心をよせ、洋画家や学者、評論家と広く交流し、新しい芸術創造を目指す先鋭的な運動にも参加しています。1918(大正7)年には、新進気鋭の日本画家たちで国画創作協会を創設し、日本画革新に挑みます。同会解散後は京都画壇の中心的画家として官展を舞台に活躍。豊かな色彩で詩情あふれる日本の自然を描き、独自の画境に到達しました。
今回の展覧会は、竹喬の業績をたたえ、その功績を後世に伝えるために設立された笠岡市立竹喬美術館の全面的な協力を得て開催するものです。同館が所蔵する初期から晩年までの代表作や素描により竹喬の画業をたどり、竹喬芸術の魅力に迫ります。